北京へ行くことの意義
現代の中国針灸と比べると、300年くらいは遅れをとっているように思える鍼灸流派が、日本には少なくない。その証拠に、未だ日本における鍼灸の社会的地位は低いままだ。「鍼灸なんてやらないほうがいい」とか、「鍼灸はインチキだ」などと一蹴する医者や大衆は未だ多く、ネット上の掲示板などでは、「針はプラシーボだ」とか、「〇〇治療はカルトだ」とか断言する人もいる。
また鍼灸師を拘束している「あはき法」なぞは、昭和初期から内容がほとんど変わっていないし、同様に鍼灸師の存在意義もほとんど変化していないように感じる。多くの患者や医療関係者が鍼灸治療に期待していないのは今に始まったことではないが、いわゆる先進国の中では、日本の鍼灸治療がかなり遅れをとっていることは事実だ。ちなみに、欧米ではすでに何年も前から鍼灸治療が保険適応になっている。
何より問題なのは、日本にいる鍼灸師自身が、日本鍼灸が世界的に見てどの程度のレベルにあるかを、正確に認識できていないことである。エビデンスと叫びながら科学的根拠や再現性に乏しい、治癒率の悪い、わけのわからぬ鍼灸治療を狂信し、鍼灸は何でも治せると果たせぬ夢を見ているのは愚かな鍼灸師だけで、大半の民衆は日本の鍼灸に希望何ぞ微塵も見出していないかもしれない。実際に、日本の鍼灸治療を受けた患者で、鍼灸に失望した人は少なくないだろう。
現在、ヨーロッパでは鍼灸治療に科学的なメスが入り、その妥当性が広く認知されているゆえ、少なくとも日本よりは、医療現場において鍼灸治療が積極的に取り入れられている様子である。アメリカでも、すでに保険で鍼治療が受けられるようになっている(「アメリカで鍼灸が動き出した日」)。実際、疼痛疾患などにおいては鍼灸治療を併用した方が治りが断然に早いし、医療コストも大幅に抑えられるので、合理的な思考の西洋人は鍼灸治療を良いモノとして柔軟に取り入れているのかもしれない。
毎回、明確な効果がみられない高価な医療機器を使ったり、惰性的に違法的マッサージをしたり、赤外線を当てるくらいなら、ちゃんと鍼を打ったり灸を据えた方が遥かに安く、しかも根本的かつ早期に治るのは事実だ。これは実際に当院のような鍼灸治療を経験してみればわかるだろうし、鍼灸師であれば当院のような鍼灸治療を実践してみれば明白に理解できるはずである。
例えば病院でのリハビリと鍼灸治療を併用することによって、投薬も激減するか不要になるはずで、結果的には医療費の大幅な節減につながり、大衆の全体的な医療費負担が減るのであろう。とは言っても、政治屋や役人の自己保身や薬剤利権が暗に優先されるであろうから、日本で鍼灸治療が保険適応になっても、医療費負担が減るかどうかは怪しい。
最近ではアリババやタオバオなんかの影響で中国のスマホ事情は日本よりも遥かに進化しているが、中国針灸と日本鍼灸の客観的なレベルの差は、そんなものとは比較にならないくらい大きい。
領土問題やらPM2.5やらで隣国に害されているばかりで、日本国内では中国に対する不信感が年々高まっている状況ではあるが、誰かが常に最新の中国針灸を学び、日本鍼灸をアップデートしてゆかなければ、日本鍼灸は今後もずっと無惨なままで終わってしまうであろう。患者や医者にこれまでと同様、「鍼灸なんて行くだけ時間と金の無駄」だと言われてお終いである。
そんなこんなで、私は2012年から毎年北京に行くようになった。この日記は、私の備忘録でもあり、鍼灸師を啓発するためのささやかな記録でもある。とにかく、マスメディアの影響で中国というとパクリ大国的なイメージしかない人も多いだろうが、鍼灸に関しては未だに世界で最も進んだ国である。このことは実際に中国で売られている鍼灸書を読んだり、YouTubeでCCTVの中華医薬という番組を観たりするだけでも、よくわかるはずだ。
日本の鍼灸治療が世界最高であると根拠もなく騒いでいる井の中の蛙的な老害鍼灸師も少なくないが、日本鍼灸は少なく見ても半世紀以上は中国に先を行かれている感じである。ゆえに、私は北京へ行っては最新の鍼灸書や中医関連の本を購入したり、鍼灸用具を漁ったりして、より効果的な鍼灸治療を提供せんがために日々模索している。
日中国交悪化の年、2012年
2012年は10月の国慶節あたりから、マスゴミマスコミによって、2週間ほどで「中国は大変危険な国である」という日本国民への刷り込みが完了した。私は暴動のピークであると騒がれた10月22日から北京へ飛んだわけだが、洗脳された多くの患者さんが「中国は危ないから行かない方がいい」とか、「中国では多くの日本人が暗殺されているらしい」などと心配して下さった。
しかし、実際の北京は至って平和で、日本人など、尖閣問題などどうでも良い、という雰囲気がムンムンと漂っていた。日本でもそうであるように、一般大衆は己の生活にイッパイイッパイであるから、政治的な問題などほとんど関心がないようである。大半の日本人も、観なくても受信料を強制徴収するN〇Kなどで毎日垂れ流しにされる偏向全うな報道に一時的な関心をみせるものの、実際は日銭を稼いだり、子供を育てることで手一杯ゆえ、中国国民同様に島の領有権や国家間の駆け引きに関心を持つ余裕などないのが現状である。実際、北京空港に向かう帰りのタクシーの中で、地方出身だと言う運転手に「尖閣問題についてどう思うか」と問うたところ、「あれは国の問題だからどうでもいい」と言われたのであった。
飯
中国人店員は基本的に無愛想である。日本でいうところの接客マニュアルなんぞは存在していない感じである。銀行へ行けば客を見下すわ、舌打ちするわ、両替金を投げるわで、飯屋に行けば飯をテーブルにドカンと置くわ、釣銭を返さないわで散々だし、まぁ清潔で礼儀正しき純血の日本国民からすれば、カルチャーショックどころか呆れるばかりである。
しかし、何だかんだ言っても、中国には不思議な魅力と、日本にはない勢いが街中に溢れている。街は大気汚染が酷いし、衛生状態も極悪なのだが、とりあえず料理はうまいし、人々がイキイキとしているゆえに、それなりの魅力と感動があるから不思議だ。北京市内には、いわば大衆食堂的な飯屋は山ほどあるが、どこも平均的にレベルが高い。衛生状態や接客レベルは大いに低いが、それを凌ぐほどの魅力が料理に秘められているので、慣れてくると全然気にならぬのである。炒め物や串焼き、蒸し物中心のいわゆる中華料理が大半だが、日本の高級中華料理店よりも遥かに美味いことが多い。しかも安い。昔に比べれば物価はかなり上昇しているらしいが、2012年10月現在では1元=13円くらいで、軽く食うくらいなら15元(約200円)もあればOK、たらふく食うなら30元(約400円)もあればOKである(大衆食堂の場合)。ちなみに、路上ではフルーツなどを売っている商人がチラホラいるが、あまり人気はないようである。外食だと、日本でお馴染みのマクドナルドやケンタッキーがある。マクドナルドはかなりの人気がある様子。
バス
北京のバスはほとんどが1元(約13円)均一である(2012年現在)。乗り方は2パターンあって、前のドアから乗って集金箱に1元放り込むパターンと、運転手とは別にアナウンス兼切符係をしている添乗員にお金を渡して切符をもらうパターンである。それは切符というか領収書みたいなもんなので、降りる際には必要ない感じである。ほとんどの北京市民は「スイカ」みたいなカード型のチケットを持っているので、乗車時に専用のリーダーにかざすだけである。ちなみに、バスの時刻表は存在しない。いつ来るかわからん状態で、ボーっと乗り場に立っていれば、そのうちバスがやってくるのである。たまに長らく放置された後にバスが来ると、
プリンプリンした中国大衆の怒りが車内で爆発
し、乗務員と喧嘩になる。画像の青い制服の女性(乗務員)がブルースリーの如き人相で怒っているのがその実例。北京はトロリーバスが多いのと、日本のバスを2台つなげたような長いバスが走ってるので、何となくエコな感じである(電動スクーターや電動自転車が多いのには驚いた)。そうそう、北京のバスはとにかく運転が荒い。他の乗用車と同様ひたすらクラクションを鳴らして、どけどけという感じで爆走する。まぁ、交通法規などあってないような状況だから、歩行者やバイク、自転車が我こそ先にとばかりに迷走するゆえ、クラクションを鳴らさねばマトモに走れぬのであろう。
陽気な北京(その1:什刹海)
北京人はとにかく陽気なことが好きである。週末の街中のネオンは一際明るく、公園や広場で楽しそうに過ごす北京人を目撃することが出来る。夜の北京は不夜城と化す。公園では蹴鞠のようなもので遊んだり、囲碁をしたり、ダンスをしたりしているし、王府井(ワンフーチン)のデパート前の広場では奇妙なタコ踊りで集団行進したり、教会前の広場は野外クラブと化していた。天安門広場なんぞも、暗くなっても照明がやたらに明るいせいか、お上りさんらしき観光客がパシャパシャと写真を撮りまくっているのを目撃できた。中国人は写真を撮ったり、撮られるのが大いに好きなようだ。什刹海ではいきなりポン引きババア中年女性が、あたかも知り合いの如き様子で声をかけてきて、「マッサージ、マッサージ」と騒ぐこともあるゆえ、アメリカ人ばりに、キッパリNOと断らねばならない。ちなみに中国語ではこういう時、「滚(gun、消えろ)」と言えば良いが、おそらく使うとヒステリーBBAの怒りを買ってトラブルになる可能性もあるから、無視するのが無難である。最近の北京は風紀が著しく乱れているらしく(まるで日本の1960年代のよう…。高度経済成長の産物か…。)、未成年らしき集団が泥酔していたりするのも頻繁に目撃出来る。最近は生ライブが売りの飲み屋というかバーみたいなもんが盛況らしく、とにかく賑やかである。素人みたいなバンドが歌っているのだが、それが案外上手くて、心地よいジャズのスタンダードを奏でたりしているあたりに遭遇すると、それまでにイメージしていた「中国」がガラガラと崩れ去るようである(とあるバーでの『Fly Me To The Moon』のアレンジは素晴らしかった)。その日は、公園内でドラマか何かの撮影をしていた。一方、日曜日の朝、王府井のとあるショップの前では、開店前なのに10人くらいの店員が大縄跳びで遊んでいた(謎)。
陽気な北京(その2)
北京では
信号無視は当たり前
である。法律は無いに等しく
無法が基本
。ゆえに、横断歩道などでは自衛しないと、轢かれても放置される可能性あり。バイクはノーヘルが基本である。ガソリン車が無茶苦茶多いからさぞや公害に対する意識など皆無かと思いきや、バイクは電動バイク(自転車)がほとんどなのは謎である。電動バイクは音もなく走るゆえ、轢かれそうになること多数(日本でも数年前からプリウスなどの「無音」が、全盲者などへの大きな障害となっているのは周知の事実)。
北京の原宿的ストリート(南锣鼓巷)
あのチャンツィーが出た中央戯劇学院のすぐ近くには、胡同(古い路地)を再開発したおしゃれな通りがある。南锣鼓巷(nanluoguxiang)という路地にあり、日本でいうと裏原宿的な通りで、中々センスの良いショップが軒を連ねている。また、女優的な美人も多数歩いているので、華やかである(目の保養によろしい)。主に並ぶのは軽食の屋台、バー、カフェ、料理屋、雑貨屋などで、屋台では日本のたこ焼きを真似たモノも売っている(美味くはないが)。さらに、路地を入ると昔の町並みが残っているのも面白い。街角では地元民が将棋をしてたり、なかなかマッタリ出来る通りであった。
串(交道口南大街と王府井小吃街)
北京人は「串」が好きである。その証拠に、街中に串の看板が掲げられ、毎日日が暮れると、所構わず串を貪る人々を沢山見かける。串を片手に一杯引っ掛けるのである。串は日本で言う焼き鳥みたいなスタイルのものだが、串自体が2倍くらいの長さなのと、羊など、鳥肉以外の肉を中心に焼いて食べるあたりが異なる。サソリやムカデ、ヒトデなどの串はいわば観光客向けのパフォーマンスみたいなもんで、これを好んで喰う北京人は少ないようである。あとはヨーグルト的な飲み物も大人気である。小さいツボ状の容器に入っていて、そこら中で売っている。ヨーグルトの容器はプラスチックと陶器の2種類があって、陶器のタイプはその場で飲み干して、容器を返却しなければならない。味はまあまあである。しかし、「串」という文字は、象形文字のまんまだ。
レシートクレオ(北京図書ビル、王府井書店)
北京の本屋には鍼灸の本が沢山置いてある。医学的な本も非常に豊富である。日本の本屋には、私の師匠が訳した中国針灸関連書籍以外は、取るに足らぬ鍼灸本が少量しか置いてないが、中国ではゴミみたいな本は控えめで、実践的かつ有益なものが多くラインナップされている。また、日本の書店では半世紀以上前から内容が変わり映えしない灸の本などが版を重ねてアホみたいに置いてあるが、北京では毎年新刊が続々と出版されている。内容も日本のソレに比べると遥かに進んでいるものが多い。しかし、北京最大かつ最新の書店であるにも関わらず、トイレが恐ろしく汚いのはドン引きである(和式で水がサイドから出るから汚物が滞留して流れない)。まぁ街中の公衆便所のようにドアがなかったりすることはないが、それにしても酷い(水洗にも関わらずちゃんと流れないとか、恐ろしく薄暗いとか)。あとは、良いのか悪いのか、堂々と座り読みしている輩が多い。床にベターッと座りながら、長時間熟読しているババア御婦人も多いので、控えめかつ謙虚な日本人は、マトモに本を選べないかもしれない。
レジは旧式で、日本のような最先端のPOSレジなぞは導入されていないが、クレジット払いは可能なようである。で、怪しい男がいるあたりはさすが中国、店内を徘徊しては本を大量に買い込む客をみつけ、「いくらか安くする代わりに俺がクレジットカードで払ってやる。」などとわけのわからぬ中国語で近寄って来る輩がいたりする。つまりは、その男は現金が無いがために現金が欲しいのであって、それゆえにクレジットカードで購入しては、見知らぬ客から現金をせしめるのであった。店員はさすが中国、呆れて見てはいるものの、注意しようともしない。
そうそう、北京で本を大量に購入したら、バッグか何かにしまいこんでから店を出た方が賢明である。なぜなら、「
カードで払いマスオ
」のように書店の出入り口をうろつき、「レシートをくれ」と近寄ってくる「
レシートくれくれ男
」が出口をトウセンボしているからである。ちなみに、書店の入口付近には、市民の暴動を恐れた店員によって自己保身的に作られたらしき、「尖閣諸島は中国固有の領土である」と中国語で書かれた看板が大げさに掲げられ、ソレ関係の本を積み上げた即席コーナーがあったが、いやはや閑散としていた。
北京人は尖閣問題なぞ、どうでも良いらしい。
今回はどうしても入手しておきたい本があったゆえ、観光そっちのけで本屋ばかりをめぐり、50冊ほど鍼灸関連書を購入した(飛行機に持ち込める限界の重さが20キロくらいなので、15キロほどで抑える)。ちなみに、北京の大型書店には経穴人形や経穴ポスターなどが多数売っているし、書道コーナーがあって、実際に筆を試し書きに使えるのはとても良いと感じた。
針灸用具
北京には鍼灸用具を売っている店も多い。特に病院の付近にチョコチョコと散在するので、値段を見比べ、値段交渉するためにも、何度も行き来しなければならない。なぜなら、北京では日本と違い、値引き交渉するのが当然な価格設定なため、提示された値段で鍼灸用具を買うのはアホだからである。大体、鍼を1000本以上で購入する場合なぞは、1本あたりの単価が半値以下になったりすることも珍しくないから、馬鹿に出来ない。ちなみに、日本で買うと10本入り1500円くらいの棒灸は、北京では5元(70円)くらいから買える。送料は商品代と同じくらいかかるから、高く見積もっても150円程度の品である(30元以上の高級棒灸もあるが…)。つまり、日本の鍼灸用具屋は、150円の品を約10倍の値段で売っていることになる(2014年くらいはからさらに値上がりした)。ボロ儲けである。が、上には上がいるもので、日本のメディアで有名な
某氏なぞの関連会社では、独自と称す棒灸(台湾によくある太めの棒灸に似ていて、中身は中国製と大差のないレベルのもぐさ100%)を
10本入り16000円
ほどで売り、平然と暴利を貪っているようである。うちのとある患者さんは、その棒灸を長年愛用させられている不幸極まりないお方で、高級ゆえにさぞや特殊な棒灸であろうと私に言ってきたが、実際に私が現物を確かめ(長年もぐさをみていれば、一目でどんなもんかすぐわかる)、念のためメイカーに問い合わせて調べてみたら、何のことはない、
ただの一般的な棒灸を太目に作っただけらしいシロモノなのであった
。いやはや知らぬとはまことに恐ろしきことなり。ちなみに、この日はブラジル人とフランス人の集団が、鍼を大量に箱買いしていた。
VW最大のマーケット
北京市内を走る車は、VWとアウディが断然に多い。中でも、B4パサートとアウディA6Lがむちゃくちゃ多い。旧型のパサートはタクシーに多いが、一般車でもたまに「鉄仮面」のパサートが走っている。タクシーはインプレッサなんかも走っているが、やはりほとんどは旧型パサートである。実際にパサートタクシーに乗ってみたが、あの軽い重厚感?は、ゴルフ2のそれとソックリであった(たぶんプラットフォームが同じなんだろう)。日本では絶滅していると思われる旧型ジェッタや、合弁会社ゆえか謎の車種もチョコチョコ走っている。北京では、フロント横の窓には、一部をカットすることでスモークフィルムを貼るのが合法らしい。パトカーもパサートが多いが、パサートでもB5あたりの新しめのセダンを使っている。他に、警察車両には電動カートみたいなものもあり、これも至って謎である。カスタム車はほとんど存在しないが、極まれに出逢ったりする。バイクもボロいのが多いが、希にCBRの1000RRなぞが走ってたりする。本物かどうか知らんが、mtmチューニングのシロッコがあったのには驚いた。日本未発売のフェートンにも驚いたが。トゥアレグも日本では見かけないタイプがあったりした。しかし、そうは言ってもDSGを積んだワーゲンやアウディは、中国人の怒りを買っているに違いない。
ホテル
今回は完全フリーツアー(送迎なし)にて3つ星の某ホテルに泊まったのだが、室内はあまり綺麗ではなく、バスルームに至ってはかなり老朽化が進んでいた。シャワールームの扉は隙間が出来ていて水がダダ漏れするし、電源を取るためのコンセントは一部しか使えないゆえ、ドライヤーは出入り口付近で使わねばならなかった。毎日清掃員が入っているようではあったが、室内のゴミ集めと一通りの消耗品を交換しているくらいなもんで、清掃は全くされていない感じであった。4泊したうちの3泊はまあ寝れたが、最終日はアメリカ人の集団が廊下で走り回って騒いでいて、ブチ切れそうになるものの、となりの部屋の中国人が先にブチ切れたので、とりあえずは眠れた。泊まったホテルは立地がまあ良いので、北京を観光するには良かった。特に、このホテルの近辺は安くてうまい地元民向けの食堂が多くて良かった。
トイレット(天安門広場)
北京市内にはいたるところに公衆トイレがある。バリアフリーかつユニバーサルなトイレでは、
「中性」用トイレ
がある。天安門広場近くの公衆トイレは、少しばかりリッチに作ってある。
お水に注意
ホテルの水道水を飲んだり、個人商店で売ってる水を飲むと中毒になる可能性があるゆえ、セブンイレブンで水を買うのが良い。中国の水は硬水だから日本人には合わない。ニセモノ大国の中国と言えども、さすがにセブンイレブンは本物であろうから、安心して水を買って良いと思われる。ま、実際飲んで問題なかったし。伊藤園のお茶やサントリーの烏龍茶も並んでいるが、なぜか烏龍茶が最も安い。セブンイレブンの内外装自体は日本と大して変わらないが、中国人の好きな甘いお茶なぞは、面を広げて売ってあったり、中華料理的な惣菜を量り売りしてたりする。いわゆる肉まんコーナーには、
謎の蒸しモノ
が並んでいた。
地下鉄
北京の地下鉄は、日本の昭和的な雰囲気である。駅によっては構内のショップなどが現在の日本と大差ないくらいにリッチな感じはあるが、ほとんどは薄暗く、チープな雰囲気である。そんなこともあってか、車内には
キチガ○
みたいな野郎が散見される。ちなみに、北京では改札を通る時に、無愛想でやる気のない駅員による荷物チェックがある。例えば、飲み物を持っていると、「飲め」と言われ、目の前で一口飲むと通行OKとなる。まぁ、そんなに厳しくはないので、いくらでも誤魔化せそうではある。
飛行機
今回は米子空港から羽田まで行き、羽田から成田まで行って、成田から北京へと飛んだ。とにかく、山陰から海外へ行くのは大変である。山陰から日本各地へ行くのでさえ不便極まりないのに、海外へとなると、嫌になるくらい遠く感じる。成田からはパ〇スタン航空の飛行機で飛んだのだが、出発が4時間も遅れたうえに、離陸してしばらくすると機長と乗客でどつきあいの喧嘩が始まり、CAがどつかれたり、別の客同士で喧嘩が始まったり、スリリングな空の旅を満喫出来た。何が原因で喧嘩が始まったのかはわからぬが、離陸時からずっとi-phoneをいじっているキ○ガイな外人がいたのが、機長がブチ切れたひとつの要因だったようだ。その外人のキチ○イさは真性で、喧嘩の様子をi-phoneで撮影しようとするもんだから、他の乗客もたまらずブチ切れたようであった。行きはそんなこんなで墜落しそうな雰囲気満載、パキスタ〇人満員でキツキツだったが、私が大好きなNorah JonesソックリなCAがいたのが救いであった。帰りの便は発着ゲートに変更はあったものの、ほぼ定時出発、乗客は30人くらいで、ゆったり帰れて良かった。北京空港付近は霧だかスモッグだかPM2.5だかが酷くて、標高2000mくらいまで真っ白であった。(終)
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