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  • 57.手(腕)の相


手を論ず

・手が豊かで長く観える者は、人の下につかない。下僕(げぼく、≒家来、部下)を相応に使う。
 
・手が太く、短く観える者は下賤である。人に使われる。手先が大きい者も同様である。また、手先がしなやかで和(やわ)らかく観える者は、自ずと人を使う。
 
・左手を上手く使える者は、人を使わない。心が忙(せわ)しく下相である。
 
・手は一身の左右の甲(かしら)であり、龍虎の臣下の如く、縦横無尽に動く事が出来る。ゆえに、その体の貴賤、奴卑(どひ)の有無を判断する。
*腕と龍虎については『南北相法』の二巻に記してある。以下はその引用。
 

山東小十郎が問う
「古書では腕を龍と虎に分けています。肩から肘までを龍とし、肘から手先までを虎とすると言います。これは何故でしょうか。」
 
南北先生答える
「私は未熟なので、相書というものをみた事が無い。私が用いる龍と虎は、肩から肘までは前腕より短く力が感じられるので虎とし、肘から手先までは上腕より長くゆるやかなので龍、としている。つまり、虎はその身体が短く勇力であるのが自然であり吉とし、龍はその身体が長く豊かなのが自然であり吉とするのである。手は左右君臣の部位とし、左を君(くん、≒君主、主)、右を臣(しん、=臣下、従)とする。」